読書仲間と「クローズドな場所」で語り合う:プライベートオンライングループの始め方
一人でじっくり本を読む時間は大切ですが、「この本について誰かと話したい」「読んだ感想を共有してもっと深く理解したい」と感じることもあるのではないでしょうか。しかし、いざ読書仲間を探そうと思っても、大人数のオープンなオンラインコミュニティや、初めての読書会に参加するのは少しハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そうした「オープンな場所は少し苦手だけど、読書について語り合いたい」という方に向けて、身近な人や気の合う仲間と始める「プライベートなオンライン読書グループ」での交流方法をご紹介します。安心できるクローズドな空間で、読書をさらに楽しむヒントを見つけてください。
プライベートなオンライン読書グループとは?
ここでいう「プライベートなオンライン読書グループ」とは、特定のテーマや興味関心、あるいは単に「読書が好き」という共通点を持つ、少人数の仲間内だけで作る非公開のオンライン交流スペースを指します。LINEのグループチャット、Slackのプライベートチャンネル、Discordの限定サーバー、Notionの共有ページなど、様々なツールを使って手軽に始めることができます。
オープンなコミュニティのように不特定多数の人が参加するのではなく、知っている人同士や、新しく知り合ったけれどまずは少人数で交流してみたいという人たちが集まります。そのため、より安心して、自分のペースで読書について語り合えるのが特徴です。
クローズドなオンライングループで読書交流するメリット
なぜ、あえてクローズドなグループで読書交流を始めるのが良いのでしょうか。主なメリットをいくつかご紹介します。
- 心理的な安心感: 知っている人同士や、人数が少ないため、発言への不安や緊張が和らぎます。自分の正直な感想や疑問を遠慮なく共有しやすい環境です。
- 深い話ができる: 大勢の中では話しにくい個人的な解釈や、本を読んで感じたセンシティブな感情なども、信頼できる仲間となら共有しやすいでしょう。より踏み込んだ、深い議論が可能になります。
- 自分のペースで参加しやすい: 大規模なコミュニティに比べて、会話の流れが速すぎたり、情報量が多すぎたりすることが少ない傾向にあります。自分の読書ペースや生活リズムに合わせて、無理なく参加できます。
- 共通の関心に特化しやすい: 「特定の著者のファン同士」「同じジャンルが好き」「積読を減らしたい」など、よりニッチな共通の関心を持つ仲間と集まることで、話が脱線しにくく、特定の話題に集中できます。
- 関係性が深まる: 読書という共通の趣味を通じて、友人や知人との関係性をより深めるきっかけになります。本以外の話題で盛り上がることもあるかもしれません。
プライベートオンライン読書グループを始める具体的なステップ
実際にプライベートなオンライン読書グループを始めてみましょう。いくつかのステップで進めることができます。
ステップ1:まずは話したい「相手」を見つける
一人または少人数で始めるのがクローズドグループの良さです。まずは「この人と読書について話したいな」と思える相手を1人か2人見つけることから始めましょう。
- 既存の友人・知人: 普段から親しくしている人の中で、読書好きな人はいませんか?
- SNSで繋がった人: X (旧Twitter) やInstagramなどで、読書に関する投稿に共感した人にDMなどで声をかけてみるのも良いでしょう。ただし、失礼にならないよう丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
- 読書会やイベントで出会った人: 一度会ったことがある人で、連絡先を交換した人に、少人数での交流を提案してみるのも一つの方法です。
いきなり「グループを作りませんか?」と誘うのが難しければ、まずは1対1でメッセージのやり取りを始めてみるのも良いでしょう。「最近読んだ〇〇、面白かったですね」「あの本の△△の箇所について、どう思いましたか?」など、具体的な話題から交流を深めていくのがおすすめです。
ステップ2:どんな交流をしたいか話し合う
一緒にグループを作る相手が見つかったら、どんな目的で、どんな交流をしたいかを事前に話し合っておきましょう。
- 交流の目的:
- 読んだ本の感想を気軽に言い合う場にしたい
- 特定のジャンルやテーマの本だけを語り合いたい
- 共通の課題図書を決めて、深く読み解きたい
- 積読解消のために、読書進捗を報告し合いたい
- 読書に関する情報交換(おすすめの本、イベントなど)をしたい
- 交流の頻度・ルール:
- 毎日投稿する? 週に1回?
- 課題図書は月に1冊決める? 自由に読む?
- テキストだけでなく、音声通話やビデオ通話も試してみる?
- ネタバレはあり? なし?
- グループの名前はどうする?
最初から細かく決めすぎなくても大丈夫ですが、大まかな方向性を共有しておくことで、認識のずれを防ぎ、スムーズな交流を始められます。
ステップ3:利用するツールを選ぶ
グループの目的や参加者の慣れ、使いやすさを考慮してツールを選びます。いくつか代表的なツールを挙げます。
- LINEグループ: 最も手軽で、多くの人が使い慣れています。日常的な連絡の延長で始めやすいのがメリットです。ただし、情報が流れてしまいやすい、ファイル共有などに限界があるといった点もあります。
- Slack / Discord: テキストチャンネルを分けたり、ファイル共有やビデオ通話機能が充実していたりします。話題ごとに整理しやすく、少し多機能な交流をしたい場合に適しています。招待リンクの発行などで参加者を募ります。
- Notion / Google Docs: 読書リストの共有、読んだ本の感想まとめ、イベント企画など、情報をストックしたり共同編集したりすることに長けています。会話形式の交流というよりは、情報共有や共同作業が中心の場合に向いています。
- その他: Facebookの非公開グループ、Signalなどのメッセージアプリなど、さまざまな選択肢があります。
参加者全員が無理なく使えるツールを選ぶことが大切です。
ステップ4:グループを作る・招待する
選んだツールでグループを作成し、参加したい人を招待します。ツールの案内に沿って進めれば、難しくないはずです。
ステップ5:ゆるやかに始めてみる
グループができたら、さっそく交流を始めてみましょう。「最近読んだ本」「今読んでいる本」「次に読みたい本」など、軽い話題から投稿してみるのがおすすめです。
最初に話し合った目的やルールを意識しつつも、あまり気負いすぎず、自然な会話の流れで進めるのが長続きの秘訣です。投稿する内容や頻度にプレッシャーを感じず、心地よいペースを見つけてください。
クローズドグループでの交流をさらに楽しむコツ
プライベートな空間だからこそできる、読書交流を深めるコツもいくつかご紹介します。
- 読書進捗を共有する: 「今〇〇まで読んだよ」「この部分が面白かった(難しかった)」など、読んでいる途中でもリアルタイムに進捗や感想を共有することで、読書を続けるモチベーションになります。
- 同じ本を読んでみる: 課題図書を決めなくても、誰かが読んでいる本に興味を持ったら、自分も読んでみて感想を語り合うのも良いでしょう。一緒に読むことで、一人では気づけなかった視点や解釈に触れることができます。
- 音声・ビデオ通話を活用する: テキストだけでなく、たまには音声通話やビデオ通話で「ゆる読書会」を開いてみるのもおすすめです。顔を見て話すことで、テキストだけでは伝わりにくいニュアンスや熱量を共有でき、より関係性が深まります。
- 読書以外の話題も楽しむ: 読書好きという共通点は軸にしつつも、そこから派生して映画や音楽、旅行など、読書以外の話題で盛り上がることも自然な交流の一部です。共通の興味が広がることで、より豊かな関係を築けます。
- 「ゆるさ」を大切にする: クローズドなグループの最大の良さは、その「ゆるさ」にあります。義務感を感じるのではなく、「気が向いたときに、話したいときに話す」というスタンスでいる方が、長く楽しく続けられるでしょう。
まとめ:あなただけの安心できる読書空間を
オープンな読書コミュニティや読書会への参加にためらいがある方も、まずは身近な人や気の合う仲間とプライベートなオンライン読書グループを始めてみるのはいかがでしょうか。
少人数で安心できる空間だからこそ、より深い話ができ、あなたの読書体験が豊かになるはずです。特定のツールにこだわる必要はありません。あなたと仲間が最も使いやすいツールを選び、まずは「読書について少し話してみようかな」という気軽な気持ちで始めてみてください。
クローズドな空間での読書交流は、あなたの読書ライフをさらに彩り豊かにし、読書を続けるモチベーションにも繋がることでしょう。あなただけの安心できる読書空間をぜひ見つけてください。